神を見るための板たち

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神を見るための板たち

2007年7月7日
高崎のカスタムフェアをちょっとのぞく

東京TOCの展示会から早一ヶ月。
早期予約展示会も終盤戦。
昔なじみの高崎の地で開催のカスタムFをちょっとのぞいてみたのだ。

ブリザード特製スタンド

土曜日の午後に行ったのだが、そんなに混雑していなかった。大丈夫か?
まあ、そんな細かいことは気にせず、待ち合わせていたsakanaya氏と会場一周。


全体を見渡すと、グッズコーナー、それもブーツコーナーに一番人が多かったように思った。
板は試乗会が勝負だし、やはりこういうタイミングではブーツをいろいろ試したいというのが人情であろう。


ブリザードのブースにはアカデミカの中村氏がいて、一ヶ月ぶりですね…と雑談。
左の画像はスチール製のスキースタンド。
展示会で使われる什器の一種。
一見巨大ブックエンドみたいで、ありそうだけどあまり見かけたことはなかった。
これもヨーロッパのセンスかな?
ちなみに板一枚しか立てられないので、スキーの保管など実用的価値はほとんどないと思われる。

サイズにより完売

さて、このときには既にGSの177cm、192cmは完売とのことであった。
当然女子選手は177cm、男子選手は192cmに群がったということだろう。
売れそうだからといっても、神を見る板であるので、当然粗製乱造は行わない。
FIS規定対応のレーシングモデルは選手用スキーと同ラインを使っているので、生産キャパには限りがあるわけだ。


現在、ブリザードはMTVグループの一員であって、その中でも最高のスキー板製造能力を持っている。
もし、同グループで急にスキーの性格が変わった(多分良い方向に)と思ったら、それはブリザードが製造しているのかもしれない。
金が稼ぐことが第一義とされる「グローバルな」風潮の中にあって、モノ作りの能力で生き残っていく企業なのだ。

明の秘密

ウエアのブースは結構すいていて、よく言えばたっぷり説明を聞けてじっくり選ぶことが出来る。


レーシングスキーヤーにとっては、サイドオープンのパンツなどこの時期に予約入れておかないと入手困難になってしまった。
思えば昔はシーズン中でも結構レーシング対応のウエアを入手できたものだが。
(それが異常だったという見方も当然ある)


左画像はナショナルチームモデル。
某P社がバンクーバー五輪まで毎年サプライする。
デザインは全体に弱気の業界にあって、非常にラジカルなものだ。
なんと言っても製品の個体差が思いっきり出るというという手法はこうしたナショナルチームの看板でも背負っていなければ出来るものではない。

BIG akira

ウエアの方はとにかく厳しい状況で、メインの商品は各社デザインの冒険は犯していない。
どのメーカーをみても、同じような印象を受けるものが多い。
ユーザーの年齢層が高めで固まってしまい、そう変わったものを求めていないという事情もあるだろうが、少ないパイを同じような商品で取り合うことになると…。
そう、プライス合戦になっていくようだ。
カルテルのようなことは無論許されるものではないが、変なディスカウントは良い結果につながらないだろう。


左画像は何かというと、某P社で出しているデモ用ウエアである。
素材に一工夫あって、一線級の機能を持っていながら、プライスは押さえて提供している。
モノを作る会社は、その内容・工夫で勝負できるようになりたいものだ。



最後に、R社は板が3本…などといわれていたが、確かにその通りであった。
ブーツのL社も、例年であればブーツの中でも一番スパンをとっていたのだが、今年は他の3分の一くらいであった。
この少し前に親会社のQS社がウインター部門を手放す(らしい)という報道があったが、見事マネーに翻弄されているように見えた。


2007年6月8日
東京五反田(TOC)のカスタムフェアで08モデルの情報をゲット!

雪不足のスキーシーズンも多くのスキーヤーの中では忘却の彼方に埋もれつつある6月。
すでに07-08モデルの商戦は始まっていた。
スキーヲタクの祭典「カスタムフェア」である。
各メーカーにとっては、これから約1ヶ月間、早期予約会という名の戦いが続くのだ。

TOC会場_ブリザードブース

例によってブリザードのブースは1スパンのみ。
広ければよいと言うものではないのだよ。

明使用板1



行ってみると、結構見たり問い合わせたりするお客さんが多かった。
昨年は「佐々木明が使うと噂されている」スキーだったが、今年は「佐々木明が使っている」スキーである。


下記バリエーションが展示されていた。
・FIS対応のレーシング
SL(165、155)
GS(192、182)
・GSR・SLRというIQシステム搭載のカービング
・CMX系のオールラウンドモデル
・レディスモデル
・BIG AKIRA


IQシステム搭載のモデルもビンディング取り付けのレール部分が改良されて、板がしなったときによりスムーズにビンディング部がスライドするとのこと。
さらに理想のしなりを追求した結果の改良なのだ。


さて、よく見てみると、「本当に佐々木明が使っている」スキーがあるではないか!
(左画像中黄色矢印)
信者の皆様、スキーヲタクの皆様は必見の板である。

明の秘密左画像上が佐々木明使用スキー、下が通常スキー。
同じ長さ・サイドカーブだが、よ〜く見ると、わずかに厚い。
いわゆるメタ・グラの板なのだが、本人のリクエストにより、グラス素材の配分を増やしてあるそうだ。
そうすることで、「返り」が早くなるとのこと。
こんな細かい対応ができるのも、ブリザードの工房ならではである。
その同じ工房で作られたスキーを我々も使える。それがブリザードなのである。


さらに、プレートも独自の加工が伊東サービスマンによって加えられている。
(内容はご覧の通り)
ビンディングは開放値表示30(!)。
目盛りの範囲は15〜30である。
トゥ側が2〜3mm高くなるようスペーサーがはさんである。

BIG akira



ひときわ異彩を放つのは「BIG AKIRA」
(画像左端)


超深雪などを踏破するために、極端なワイドシェイプになっている。
…が、コスメデザインに関しては、オーストリー本国で「日本のイメージはこんな感じ」という調子で作られたらしい。
トップ近くに女性と思しき人物の顔が見えるが、本国の人間に言わせると「ゲイシャ」だそうだ。
あくまで本当の「芸者」ではなくて「ゲイシャ」ですね。
明も初めて柄を見たときは「●×△!■!」だったそうだが、外人さん達には結構受けているらしい。

Big AkiraサイドBIG AKIRAを側面から見る。
ビンディングが低いので、ブーツがスキーのソールにかなり近いことが分かると思う。


これは意図的に低くしているとのことで、こうすることで雪面の状況をスキーヤーの足裏で感じやすくしているセッティングなのだ。


今回会場にはガーラ湯沢スキースクール所属の栗山選手が来場していた。
技術選の上位を狙う若手選手である。
栗山選手のブログ
今後は基礎スキーでも使用選手が増えてくるという。
次回の技術選では7、8人(契約選手だけで)の規模になるらしい。
彼らの活躍を期待しましょう。


以上、東京五反田TOC会場の情報でした。
信者の皆様も信者になるか検討中の皆様も各展示会場で実物を確かめ、情報を収集していただきたい。
展示会場でチェッキラー!


08モデル詳細情報

私事で申し訳ないのだが、この終わった(おわりつつある?)シーズンは試乗の機会が取れず、信者の方々に詳細な情報をお届けできませんでした。
GWも終わり、もう試乗の機会もないだろうなあ…と思っていたところ、アカデミカスキースクール中村氏より08モデルの詳細情報がもたらされたのでありました。
以下、07モデルとの比較を織り交ぜつつ信者の皆様にご紹介いたします。

GS新旧比較全体まずはGSモデルから。
左画像は男子選手用192サイズ。
上が07モデル(R21ルール対応)、下が08モデル(R27ルール対応)
各サイズ実測値は…(単位mm)
177cm:100−67−85
182cm:100−67−86
185cm:未入荷
192cm:102−67−87

トップ拡大図



トップ部分の拡大画像。


上の08モデルをご覧いただくと分かるが、トップシートが少しだけサイド側に回りこんでいて、表面側のメタルシートをカバーしている。
これはSLも共通した特徴とのこと。
少し立体的な構造を取り入れることで特にトップ部の「押さえ」が強くなるものと思われる。
また、上面の角が取れてソフトな乗り味になっているとも考えられる。


GSに関してはトップ幅がやや狭くなっている。
これは私の推測だが、ターンの入り口でトップをドン!と落として、グワッと踏み込み一気にたわみを作ってそのカーブで回っていく方向に振った作りではないかと考えている(擬音が多いですね)
ますます、トップ幅に頼った滑りは出来なくなっている。
ただし、それでもそれなりに始めからトップは噛ませていかなければならないので、そのためプレート高のセッティングに工夫が出てくるらしい。(後述)
多分、ノルディカが近い性格であろうと思われる。
そういえば同グループ企業でしたね。

GSテール部分拡大

テール部分の拡大画像。
大筋形は変わっていないように見えるかもしれないが、実は最後部の「すぼまり」が08モデルの方が強くなっている。
07モデルでは「すぼまり」がほとんどなく、最後端に近いところまでサイドカーブが続いている。


08モデルは07に比較して、全体では、
●トップは少し狭くなっている
●センターは少し広くなっている
●テールは最後部数センチはサイドカーブに使っていない

…というのが特徴のようだ。

GSテールの反り

テールの「反り」の違いをご覧いただこう。
向かって右が07モデル、左側が08モデル。


同一面に乗せてあるので、ここで見える高さの差が「反り」の差である。
こうしてみるとだいぶ異なっている。


板の長さ全体を使う発想であった07モデルから、テール部数センチは使わないという発想に切り替えたと思われる。

07_08_SL比較全体図

今度はSLモデル。
画像は男子選手サイズの165cmサイズ新旧比較である。
一見すると、ほとんど同じに見えるかもしれないが、よ〜く見てみると…

SLトップ比較拡大

トップ部分。


GS同様、08モデルではトップシートが表面のメタル部をカバーしている。
(07モデルでは完全な平面積層構造)


寸法上は07モデル対比で、トップ部1mm減、センター部1mm増、テール部変わらず、という内容だ。

SLテール部分拡大

テール部分の拡大画像。


平面上の幅はほとんど同じ。
では、何が違うかといえばテール部の「反り」が増えているという点。


SLスキーの各サイズ実測値をご紹介すると…
(単位mm)
155cm:112−65−97
165cm:112−65−100


155(女子選手用)と165(男子選手用)では、センター幅は同じだがだいぶ異なった考え方で作られているようだ。
155サイズもかなり「しっかりした」つくりになっているそうです。
「しっかり」乗ればかなり強力な武器になるということだろう。

SLテール反り

SLスキーのテール部分新旧比較。


手前が08で、奥が07。
明らかに08の方が「反り」が大きくなっているのが分かるだろう。
これは、ますます深回りターンが要求されるのに、サイドカーブが緩くなる方向にあるため、大きく板がたわんだ時にテールが引っかからなくするための構造だと思われる。

SLプレート部分話題の(?)プレート部分。
上は比較のために07モデルだが、プレートはマーカー。
07SL純正のヴィストに比べると、「足元の感覚がより敏感になる」とのこと。
また、高さは純正ヴィストは前後同一高だが、マーカーはトゥ側16mm、ヒール側14mmで高さに差がある。
これは何でかというと、トゥ側が厚いとより強くトップが抑えられるからなのである。
(結果、前半から強い角付けが可能となる)


トップ選手は更にスペーサーをかませて、トゥ側を2〜4mmも上げていたようだ。
(スペーサーは2mm厚なのでその枚数分)


08用の「デルリンプレート」はそのままでは前後で高さの差はない。

SLプレート部分側面よりさて、なぜ「デルリンプレート」ができたのかというと、そこにはいわゆる「高さ規制」が絡んでいるらしい。
要するに、プレート高を更に下げなければならなくなったので、新たな発想で作られたようである。


左の画像でも、08のプレート(上)が明らかに薄くなっているのが見て取れると思う。
下は07用のマーカープレート。
(ちなみにマーカープレートも規定クリアのために高さの変わったものが出る)


08用の純正プレートはGS・SLで変わりはないとのこと。
実は当初、GS・SLの特性を考慮して、前後をつなぐブリッジ部分をGS=チタニウム、SL=樹脂という構成でテストしていたらしいが、結局どちらの種目もチタニウムが良かったとのこと。
単に合理化のために共通化したのではないのですよ!
ただし、GS192サイズに関しては14mmプレートだと規定高より高くなってしまうため、規定にあわせるやや薄いものがつくのではないかとのこと。(192cmGSはセンター部分が厚い)


「デルリン」プレートは既にアーデルボーデンやキッツビューエルのSLで佐々木明が実戦投入していたようで、トップ層の評価も高いようだ。
野沢の健策選手もGSで実戦投入していたらしい。


トータルでは、ルール変更の中で如何に今までの良さを生かすか、ということでの各種変更ではなかろうか。
実際、GSスキーの07と08ではサイドカーブが緩くなっているのに回転性能は変わらなく感じるという意見が多い。
以上、信者の皆様の参考になったであろうか。

08ciao試乗記←最新情報 →09モデル試乗記


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