2011年冬、フリーライド用・ロッカースキーを試す

スキー板のメーカーは何でもかんでも「ロッカー」と呼んでいるような様相になっている。
2011年シーズン、私の職場で何本か試してみた。

4FRNT EHP(10-11モデル)

「フォーフロント」と読むブランド。
シグネイチャーモデルは特定のスキーヤーの好みで開発・味付けがなされている(という話)。
EHPというのはエリック・ホーレイフソンの略。
ビッグマウンテン(山をまるごとドカ〜っと滑るイメージ)系できっちり圧雪整備されたバーンや、パークなどは想定していないという。

4FRNT

モノトーンに近い渋めのグラフィック。
フリーライド系のスキーデザインはどこまでもバラエティに富んでいる。
形状の特徴はまずゼロキャンバー(ベンドがほとんどなく、板を合わせるとソールがピタリと合う)、トップとテールの立ち上がり部分は通常のスキーよりかなり長くとってある。

4FRNT EHPcenter

板中央にはスペック表記がある。
made in Sloveniaとあるので、エ●ンで製造されている可能性が高い。
かなり幅が広いことが分かると思う。

長さ:179cm
トップ:128mm、センター:116mm、テール:122mm
サイドカーブ:40m

普通にサンドイッチ構造で製造されていて、そこそこしっかりした感じである。
パウダースノーに入ると、実に扱いやすい。
水上スキーの操作感に通じるものがあるかもしれない。
ただ、サイドカーブが40mもあるので、いわゆるカービングのイメージではターンしない。
ゼロベンドなので面をスライドさせるような感覚で回る感じだろうか?

やはりアメリカの会社は極端な発想の板を作る。

Rossignol S7 117(10-11モデル)

Rossignolというのは日本国内においてはレーシングイメージが強い。
しかしというか、やはりというかインターナショナル的にはフリーライド、ファットスキーもちゃんと用意してある。

「一番太い板」ということで手配したのが、コレ。S7である

S7

一番太いと言っただけあって、とにかく太く、ボリューム感満点である。
ただ、立てかけておいても人々の目を引くことは間違いない。

この板は、トップとテールが大きく持ち上がっていて、まさに「ロッカー」という感じだが、実はセンター付近はきゅっと絞られている。

S7

サイズスペックは…

長さ:188cm
SIDECUT:トップ:140mm、センター:110mm、テール118(176cm)
サイドカーブ:14.8m(176cm)
かなりサイドカーブが深いのだ。
数字だけみるとショートターンできそうである。

デザインは、やはりフリーライド系ということで、なんだかちょっとブキミ系のイラストが表面を飾っている。
なんですかね、この異星生物みたいなキャラクターは?
色遣いはブラウン系をベースにブランドロゴのRマークをオレンジ色で強調する配色になっている。

それにしても幅広の板ですね。

S7

テール部分もトップほどではないが幅広い。
テールはあまり幅広にするとターン最後の「抜け」が悪くなるという人が多い。
ターンが終わりに近づいたらさっさとエッジグリップも終わらせて次のターンに向かいたいという感じだろうか?

そういえば、メーカーの人は「ロシは完全逆ベンドの板は作らない」と言っていた。
エッジグリップを持たせるのは最低限のこだわりということなのであろうか。

乗ってみると、その話の意味が理解できる。
トップが幅広いのでパウダーの中では浮力が強い。が、足元に強いサイドカーブが付いているのでセンター付近でクルリ、クルリと良く回ってくれる。
スライド的な操作もまあできるけれども、基本通りセンターに乗っていくとサイドカーブを生かせるというわけなのだ。
この板を試した人の多くが「パウダーでのスキーが上手くなったような気がする」と言っていた。
だいぶ気のせいなのだが、確かに上手くなったように錯覚するかもしれない。

Rossignol S97 OPEN FREERIDE(10-11モデル)

「オープン」という名称はロシニョールの中ではフリーライドモデルとしてはかなり歴史のある名称である。

多分、ロシニョールの中で二番目に幅広の板。

S97

長さ;178cm 
サイドカーブ22.2m
トップ:130mm、センター:96mm、テール115mm

この板も幅が広いので、ただ立てかけていてもかなりのボリューム感を感じる。

基本的にあらゆる雪質を想定しているため、上記S7よりも硬い雪に対応可能なようにできている。

S97

全体にゼロベンド気味でぎりぎりロッカーと言えるが、ハードバーンでもかなりエッジが安定してグリップする。
サイドカーブも22mほどあるので大回転的なターンサイズに適性がある。

ややプラスチック感があり、その点で若干好き嫌いは出そうだが、それゆえ不安定な感じがするわけではない。

デザインはグリーンを基調としたかなりシックなものだ。
蜂がモチーフになっていて、表面にはハニカム(六角形)柄の溝がほられている。
ソールにも蜂がデザインされている。
ヨーロッパのデザイナーはたまに昆虫や爬虫類をモチーフにすることがあるが、これも文化なのであろうか?

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